バングラデシュの人質事件に対して、会社として考えること

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他人事ではない危機感

まず、今回の人質事件(或いはテロの可能性もあるが)で被害にあわれた皆様のご冥福をお祈り致します。本事件は本当に悲しく、かつ、他人事とは思えない感情を抱いている。恥ずかしながら、報道された当初の「邦人が巻き込まれた可能性」というニュースを目にしても、これほど邦人を巻き込み、さらには残忍な事件であった可能性は十分に理解できていなかった。この犯行がISによるものなのか、内国で起こった事件なのかはまだ定かではないが、海外進出に関わり日頃から海外に行っている我々も、もしかすると「この場にいた可能性」というのは十分にあった。可哀想という感情やテロに対する思い等はもちろんあるが、今後の世界情勢の中で「海外に行くことで、こうした危険にさらされる可能性が高まるということだ」と改めて認識を深めなければならない。

外国人用レストランという意味

今回の事件で恐怖を覚えた理由はいくつもあるが、その一つには、「外国人用レストランで起こった」という点が上げられる。通常、新興国にいくと、そこまで食事の幅は広くなく、現地の食事を食べるか、外国人用レストラン街等にいくという選択肢が主になる。今回の事件でもそうであったが、各国大使館が集まっていたり、高級レストラン街となっている地域である可能性が高く、いわば、海外に行った日本人が訪れる可能性の高い場所であるということだ。接待や仕事の後の会食は、多くの場合こうした場所で行われる。だから今回も、JICAや会社側の危機管理能力というわけではなく、普通に生活していたら起こりうるという部分に大きな恐怖を感じている。ご多分にもれず、我々TRYFUNDSも多くの場合、そうした日本人街や高級レストラン街で食事を楽しみ、労を癒やすことをしているため、今後こうした場所がターゲットになる場合、どの国に行っても、こうしたテロが起こる可能性があるということだ。

「日本人である」事が使えない恐怖

記事にもある通り「日本人である」という主張こそが、テロのターゲットになる一つの理由となってしまい、今後はそうした主張一つまで考えていかなければ、テロの被害から逃れることができなくなる。今回の場合、さらにコーランの暗唱が求められ、本当かどうかは定かではないが、実際に暗唱が出来た人は逃されたと言われている。もし本当なのであれば、それに対応して覚えておく必要が出てきたわけだ。今回はイスラム圏で起こっていて「アッラー、アクバル(神は偉大だ)!」と叫んで入ってきたということは、「そういうことなのだ」と瞬時に判断しなければならない。我々も向かう場合には、相応に準備して現地に行かなければならないことになる。本当に骨の折れることだが、身を守るためには重要なファクターになるのかもしれない。

イスラム圏に限った話ではない

今回は、イスラム圏で起こった残忍な事件であった。ただ、我々が行く他の国でもこうした事件は十分に起こりうる。もっと言えば、仮にこのISの発表が正しかった場合、彼らの主張をもとにすると、日本でも起こりうる話だということだ。海外各国に行く場合にも、日本で生活する場合にも、常に警戒心を持ち、対応することが求められているのかもしれない。こうしたテロは、本当に起こってほしくない。

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