ベトナム、Victory investment社の来社

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ベトナムのVictory Investment社(以下、VIC社)が来社しました。

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丁度真ん中のHa Huy Thanh氏(以下、タン氏)は、ベトナム建国の頃の政治家の家系の方。

良くも悪くも、やはりベトナムの社会主義基調は根強く、それを理解して事業展開が必要だと考えさせてくださる方です。

 

出てくるビジネスの一つ一つの規模が大きく、日本企業1社でその期待に応えていくのは難しいレベルの話ばかりでした。

海外企業、特にいま伸び盛りの国に言えることなのですが、要望の規模や要望が大きく、上手く咀嚼する人がいないと中々進まないなと。

今回もいい意味でそれを実感し、我々の価値が出る案件だなと考えている次第です。

VIC社とは?

VIC社は、冒頭のタン氏が創業した会社です。

VIC社自体はホールディング会社のようになっていて、その下に複数の事業会社(不動産、建設、飲食等など)が紐付いている形になっています。

そのVIC社の事業ドメインは、

・トレーディング

・コンサルティング

・投資

の3領域で、弊社はこの3領域にまたがって、政府系から民間のプロジェクトまで協働してサービスを提供しています。

(弊社では、ベトナムだけでもこうしたパートナー会社が複数存在しており、そのうちの1社です。)

 

投資余力は十分にあるのですが、ファンド化せず、全てタン氏の個人資産のため、決断が早いのが最大の魅力と感じました。

日本がベトナム市場に貢献でき、事業収益を上げられるであろうビジネス(IRRでの定量推測)に今後資金を使ってゆくこととなります。

政治的なアプローチの是非

タン氏と会うと毎回思うのが、政治的なアプローチの是非です。

是非というと、それを使うべきか・使わないべきかという禅問答のような問もありますが、その一方、有効か・有効じゃないのかという視点も出てきます。

特に下手な関係性の相手にお願いして政治的なアプローチを使う際には、実際に「賄賂の文化」を超えて日本式の経営を守らなければならなくならず、それが故に撤退している企業が少なくないことも、日本企業が対峙する一つの問題と言えます。

よく、「この人に頼めばライセンスが早くおります」とか、「政治的に事業会社を動かせます」とか、そういった事だけを売りにするコンサルティング会社がありますが、依頼者側の視点としては、「それをして、事業にどう良い影響があるか。成果になるのか。」が重要です。

誰でも現地法人や事業開始は素早く行えたほうがいいと考えますが、そこに数ヶ月の差があったとしても、事業上大きなデメリットが無いケースがほとんどです。

要するに政治的な方法で独占販売権を得たり、他社よりも早いペースでライセンスを下ろしたからといって、それが何か大きな意味を持つことにならないケースが多くなっています。

タン氏からは今日も、「政治的なアプローチの危険性」と「それを使う事によっておこるリスク」について深い洞察を頂きました。

自らも政治関係と深いつながりがありながらも、そればかりを求められる日本企業との関係性や、そこが本質ではないという話は勉強になりました。

彼自信が一事業者として、政治家とは適切な距離感を持った付き合いに留めている意味が本当はあるそうです。

にもかかわらず日本企業はそうした部分を求めることが多いため、もう少し事業側で魅力を出すべきだというのが、雑感ですが彼の意見です。

(あまり詳細に語れないためぼやけた表現になりましたが。)

 

弊社のスタンスとしては、「こういったアプローチは最終手段であって、事業計画やF/S、進出可否決定の段階から強みには成り得ない。ネットワークを強みとして盛り込むことは甚だ疑問」といった考え方です。

やはり、事業や商品そのものの魅力を見出すことが出来なければ海外進出は成功し得ないこと、そして、我々にはこうした冷静なパートナーがいてよかったなと思ったMTGでした。

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