2016年 新年のご挨拶

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新年あけましておめでとうございます。

TRYFUNDSの丹野裕介でございます。

昨年は会社設立から無事3周年を迎え、こうしてまた清々しい気持ちで新年を迎えることが出来ております。

一歩一歩を大切とする社風でございますので、焦ることなく、また一つ一つ挑戦・価値を創れるよう、本年も尽力してゆく所存でございます。

TRYFUNDSにとっての4年目の意味

スポーツを本気で経験した方にとって、この「4年」という区切りは多くの意味を持っているのではないでしょうか。少なくとも、幼少期からスポーツの世界にどっぷりと浸かり、4年に一度の祭典を夢見ていた私にとっては、4年という月日の重さをずっしりと感じる次第でございます。

創業した2012年は、ロンドン五輪の年でした。その年にブラジルへの海外進出支援の事業を開始し、今年は2016年、リオデジャネイロ五輪が開催されます。

 

創業時の2012年。私たちはブラジルへの日本企業進出支援の事業を開始しました。2012年当時のブラジルは好況に湧いていて(少なくともメディア上では)、2014年のブラジルW杯、そして2016年のリオデジャネイロ五輪が相次いで決定していることもあって、ブラジル人の多くが自国の未来に目を輝かせていました。

 

2012年当時、開催に間に合わないかもしれないと言っていたブラジルインフラや、スタジアムの問題、そして航空輸送の問題。それらを何とかやりくりして、この4年で新しい空港(GRU Airportの第3ターミナル)も出来上がり、満を持して五輪イヤーを迎えています。

当時何もなかったものが、目に見える形で変わった4年。そう考えると4年という期間はスポーツ選手にとってだけではなく、あらゆるものにとっても大きく何かが変わり得る年数なのかもしれません。

 

ちなみに、TRYFUNDS(とは言え、今のチームはほぼ居ない状況でしたが)も4年目、という数値は意識して創業をしていました。

 

・五輪と近しい環境下で創業したこと

・新規創業の場合、3年以内に廃業と成る確立が70%以上である(と耳にしていた)こと

から、3年が終わった4年目までの間に何ができていれば会社として一旦のマイルストンとなるか、ということについては、一番最初に議論した項目でした。

TRYFUNDSとしては、創業時の2012年に「この4年間で何を為すべきか?」という事を常に考えていました。下記は、私が TRYFUNDSの創業時に作成した事業計画書です。

 

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なんか、デザインに時代を感じるな・・・というのが最初の感想なのですが、当時25歳、特に資料作成も上手なわけではなかったので、必死に作ったものだったと記憶しています。

肝心の中身はというと、数字の仮説も立っていないし、そもそも世の中にどういうサービスが受け入れられるのかもまだ不明瞭という状態で作成したものなので、そこまで深いものではありません。

創業時、まだ明確な事業内容も決めかねていた頃に掲げた中で作成した上記の資料。全部で30ページあります。その中で、会社として胸をはることの出来るページが、3ページだけあります。

変わらない思い。そして、進化したビジョン。

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まず1枚目は、ビジョンのページです。我々が何を為すべきなのか。何を達成するために創業しているのか。この中に入っている語句や思いは、4年目に入った今、さらに深化され、共有することが出来るようになっています。

 

この「やりたいを全ての人に。」というビジョンは、2013年4月の日本企業の進出支援事業を事業化した際、経営理念という形で、「意志ある挑戦を創造する。」という言葉に昇華されました。

そして、私たちは新たな、さらに拡大したビジョンとして「誰よりも可能性を信じ、誰もが夢に挑戦できる世界を実現する。」という挑戦、そして事業機会の創造という部分にフォーカスした方針を打ち出し、全社一丸となって取り組むことを、2015年末に決定しました。

スポーツ選手でさえ心が折れかかる4年という歳月の中で、この根幹の部分を共有できていることは、とても意味深いことだと思っています。

提供サービスのラインナップを拡大。

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ここには、この海外進出支援事業を最初に事業化させようと思った際に、2016年までにサービス提供を可能にしておこうと思っていたサービスが載っています。

輸出・輸入やライセンシーから開始し、2016年までには、M&A、PMI、人材斡旋等ができていれば一旦のサービスラインナップとしては合格ではないか。そのような想いからこの資料を作成したことを覚えております。

当時の営業フォーカスなども載っていますが、正直、これはあまり役に立ちませんでした。何度も何度も方針変更を繰り返しながら、正直この図に立ち返ることもなく、今の事業体を目指していたんだろうと思います。

 

しかしこうして、ふと今考えると、

・M&Aアドバイザリーは、クロスボーダーを含めて実績がある。

・年末に組織や人材をメインとしたPMI事業への参画を発表

・人材斡旋/人材派遣免許も取得し、グローバル人材の斡旋をお客様の要望に応じて提供開始。

という形で、意識をせずとも達成できていた、という状態になっています。

※ちなみに、本資料によると今年から企業再生・事業再生に参入する用になっておりますが、それはかなり高い確率でありません。

58カ国への海外進出支援実績

スライド14

 

最後は、こちらです。

当初の予定では、ブラジル進出を2016年までフォーカスして行い、その後に他の国でサービス提供ができるように拡大をする、ということが記してあります。

現在は、ブラジルの他、ベトナム、アメリカ、南アフリカにも拠点を持ち、世界5拠点(+各国内にも複数拠点あるので不明)かつ58カ国にて支援体制を敷いています。さらに言うと、その58カ国で進出経験をさせて頂きました。

 

これには、良い側面だけではなく、悪い側面(反省点)もあります。

この資料を作成した半年後、私たちはとあるお客様から頂いた仕事により、偶然他の国へのカバレッジを強化していました。ブラジル以外の国に対して、より深いサービス提供を行うために、相当無理をしてカバレッジを広げていた事になります。

「ブラジルと決めたのにこれでいいのか?」何度も悩みました。潤沢な需要やマーケットがあるにも関わらず、距離の問題で無視されていたブラジル。そのポテンシャルを事業につなげる存在が不足していて、それをどのように実現するかが私たちのフェーズ1の役割のはずでした。

 

しかし、現実は想いだけでどうにかなるほどは甘くはありませんでした。

 

この4年という歳月の中で、ブラジルは過去を彷彿とさせるような不況に陥りました。2013年後半から激化したデモの問題は記憶にあたらしいところだと思います。また、昨年末には大統領罷免の可能性まで持ち上がっており、現政権で五輪を迎えられるのかさえ、わからなくなっているような状況です。

実際、しっかりと調査検討(F/S含)すると、今進出したほうが良い分野は多く、今でも絶対に進出するべきだと進めている事業は数多くあります。そして、その中には進出後の成功確率はかなり高い事業ばかりだと考えています。

しかし、実際に、さらに新しいお客様に「意志を持ってもらい」、メディアでの報道を超えて一歩前に進んで頂く力は当時の我々にはありませんでした。

それが転じて、ブラジル関連の新規のお客様は激減。昨年は、なんと殆どブラジル進出を実現できない1年でした。

 

正直、弊社がこのブラジル関連顧客激減の難所を乗り切ったのは偶然です。私にも、メンバーにも、そうした情勢を予期して、計画的に事業拡大に務める、という発想はなかったためです。

もちろん、対応可能国数が多い方がリスクが低いことくらいはわかっていました。それでも、あまりに意思の強い会社が、固執した計画をすぐに修正して一歩前に出ることは容易ではありませんでした。

この時はむしろ、ブラジル以外の国に対する要望が急増し、お客様によって偶然作ってもらえた58カ国へのカバレッジがあったために私たちは助かっています。

次の、東京五輪までの4年間に向けては、そうしたところも反省し、「自ら予測し、自ら打開する覚悟で」取り組んでいかなければなと思っています。

140プロジェクトを超えた支援実績

TRYFUNDSにとって、4年目迎えた現在持っている最も大きな価値は、140プロジェクト超の支援実績だと思っています。

本当に、色々なサービスを、色々な国で、色々なお客様に対して提供してきました。単純な翻訳プロジェクトから、深く深く、数年がかりでまだ取り組んでいるものまであります。

過去3年間、私たちは会社の地盤を固めるべく、大きな挑戦をするための積み上げを行ってきました。最初に掲げた目標からブレずやりきってきた事で、4年前のつらい状況で思い描いてきたことよりもより一歩進んだところから、次の挑戦をすることが出来るようになっている。それをきちんと理解して、今年に臨みたいと思います。

2016年・個人としてのキーワード

TRYFUNDSを創業した際に決めたこととして、「成長を焦らない」ということがありましたが、そのような中でも、最初に決めたことが出来ていると言うのはとても嬉しいことです。

私は、2012年の創業直前までリクルート(今は分社してリクルートキャリアという会社)に勤めていて、とにかく「個人として」最も上を目指していました。「トップになるためならばなんでもやる。」そういう覚悟で働いていました。そして、思い返すと、TRYFUNDSの創業後も全く変わらず、そういう姿勢で働いています。

この、いわゆる「挑戦」・「猪突猛進」・「我武者羅」等の言葉が似合う生き方は、私個人にとっては、それが出来ないと強みもなくなってしまうようなそんなシロモノです。なので、ここでキーワードを「挑戦」にすることはやめました。

「集」

そこで、これを今年のキーワードとしたいと思っています。特に、「集中する」、「集める」、「集まる」、という所を意識して、1年を過ごしてみます。

今年の8月には、4年前に描いた計画がなくなり、私にはその先を差し示す責務があります。もちろん、ビジョンといった大きい単位や、事業計画といった細かい単位のものはありますが、組織としての中期的なマイルストンはまだ示せていません。

・次は、どの事業に集中するのか?

・次は、どういう仲間を集めるのか?

・どういう時にみんなで集まるのか?

何も会社にとってだけではなくて、暇がなくて・余裕がなくて皆さんに会えないという今の状態を打開するためにも、上記のようなルールを決めていくことも重要なのかなと思っています。

それでは、2016年も公私共に邁進してまいりますので、何卒よろしくお願い致します。

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